2007年2月11日日曜日

病気/糖尿病/糖尿病性腎症

=== [[糖尿病性腎症]] ===
[[腎臓]]の[[糸球体]]が細小血管障害のため硬化して数を減じていく([[ICD]]-10:E10.2、E11.2、等)。

==== 症状 ====
* 第1期(腎症前期)
*: 症状は無い。
* 第2期(早期腎症)
*: 第1期から5~15年で発症する。
* 第3期(顕性腎症)
** 第3期A
** 第3期B
**: 続発性[[ネフローゼ症候群]]を呈する。
* 第4期(腎不全期)
* 第5期(透析療法期)

==== 検査 ====
* [[腎臓]]生体針検査
*: 毛細血管基底膜が肥厚し、メサンギウム基質が増加する。第1期から糸球体メサンギウム領域に結節性病変ができ、腫大する。
* [[腎臓]][[超音波検査]]
*: 糸球体が腫大するため、腎不全になっても腎臓は萎縮せず、腫大する。

==== 診断 ====
* 第1期(腎症前期)
*: 糸球体濾過量([[GFR]])が増加する。糸球体濾過量が増加する事を濾過過剰(hyperfiltration)と言う。
* 第2期(早期腎症)
*: 第2期は、微量の[[アルブミン]]が尿に漏れ出すようになった時期。微量の[[アルブミン]]が尿に漏れ出すようになる事を、微量アルブミン尿(microalbuminuria)と言うが、血糖コントロールによって消失する。濾過過剰を継続している。[[血尿]]は発症しない。[[高血圧]]が発症し始め、これがさらに腎障害を悪化させ、「腎障害→[[高血圧]]→腎障害」という悪循環に陥る。
* 第3期(顕性腎症)
*: 第3期は持続的[[蛋白尿]]が認められるようになった時期。既に不可逆病変である。
** 第3期A
** 第3期B
**: 続発性ネフロ—ゼ症候群を呈する。
* 第4期(腎不全期)
*: [[GFR]]は低下し、血清[[クレアチニン]]値も増加する。
* 第5期(透析療法期)
==== 治療 ====
* 薬物療法
** 浮腫に対しては、腎糸球体濾過量を低下させないループ[[利尿薬]]を用いる。
** 糸球体肥厚や硬化を防ぐために糸球体内圧を下げる[[ACE阻害薬|アンギオテンシン変換酵素阻害薬]]や[[アンギオテンシンII受容体拮抗薬]]の有用性が示されるが、全身の血圧も十分降圧する必要もあり、[[Ca受容体拮抗薬]]など他の[[降圧剤]]も組み合わせて用いる。
** 尿毒を便から排泄させる球形吸着炭(クレメジン)やカリウム排泄剤、[[酸塩基平衡]]を補正するための[[重曹]]や[[クエン酸ナトリウム・カリウム合剤]]を内服し、腎性[[貧血]]が進行した場合[[エリスロポイエチン]]の注射を行う。
*[[人工透析]]: 腎症が進行すれば腎機能が完全に廃絶し透析に至ることもある。[[クレアチニン]]が透析導入を判断する基準となる。
* [[腎移植]]・[[膵腎移植]]:日本では臓器提供が少ないので、[[移植 (医療)|移植]]例数がすくない。膵臓の一部と片腎の提供でも、特に1型糖尿病患者では[[クオリティ・オブ・ライフ|生活の質]]が向上するので、生体移植も試みられている。膵臓と腎臓は心臓死移植でも提供可能である。移植後、糸球体病変の可逆的変化が観察される事が報告されている。

==== 統計 ====
* 日本:末期[[腎不全]]で[[人工透析|透析]]導入される患者の原因のトップは糖尿病で35%ある。糖尿病そのものよりも糖尿病患者の[[高血圧]]のほうによく相関する。

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