2007年2月11日日曜日

病気/糖尿病/治療

== 治療 ==
=== 概要 ===
* 初期糖尿病の治療で重要なのが、'''食事療法'''と'''運動療法'''である。高血糖ストレスによるインスリン分泌細胞の疲弊、死滅が進行する前に開始することが望ましい。耐糖能異常の段階から生活習慣の修正や体脂肪減量を行うことが糖尿病患者の発生を防ぐために推奨されている。体脂肪の中でも内臓脂肪の減量が重要とされ、インスリン抵抗性を解除し、高血糖状態からインスリン分泌低下の悪循環を和らげることができる。
*血糖値が高い状態であれば、[[経口血糖降下薬]]を用いた薬剤療法開始、[[インスリン]]療法開始を行う。最近では血糖が高い状態で長い時間経過するということ自体がその後のさまざまな合併症を引き起こすことが指摘されており、できるだけ早期の治療を行うよう世界中の学会が声明文を出している。

=== 食事療法 ===
日常の生活強度に合った食事をする必要がある。1日あたりの総エネルギー量の目安は、
:: 総エネルギー量(kcal)=[[標準体重]](kg)×生活活動強度指数(kcal)
:::* 生活活動強度指数
::::* 軽労働(主婦・デスクワーク):25~30kcal
::::* 中労働(製造・販売業・飲食店):30~35kcal
::::* 重労働(建築業・農業・漁業):35kcal
で計算し、食事量を決める。エネルギー量の計算は、80kcalを1単位として計算する方法が簡単で、一般的である。例えば、デスクワークの多い成人男性では、1500kcal~1600kcal(約20単位)ということになる。

その他、重要点として
*毎日、いろいろな食品をとり混ぜて、バランスよく摂取する。
*アルコール、甘いものは控えめにする。
*食物繊維をとる。
*1日3食きちんと食べる。

=== 運動療法 ===
医師の指導に従って、自分に適した運動メニューを作り実行する。いきなり激しい運動をするのは避け、徐々に運動を習慣づけるのがよい。(内部リンク[[運動療法]]も参照のこと)
筋への糖取り込み率を高め、インスリン抵抗性を改善する働きもある。

=== 薬物療法 ===
==== 経口血糖降下薬 ====
[[経口血糖降下薬]]:内部リンク参照のこと。

==== インスリン製剤 ====
1921年に[[インスリン]]の分離に成功。1型糖尿病では現在のところ唯一の治療法である。
===== 製剤の種類 =====
* ヒト型インスリン:大腸菌や枯草菌にヒトインスリン遺伝子を導入しインスリンを生産している。亜鉛などで持続時間をかえた中間型(NPH or N:Neutral Protamine Hagedorn)•持続型(U:Ultralente)と速効型(R:Regular)があり、速効型と中間型を10%から50%の割合で混ぜた混合型インスリンがよく使われている。
* [[インスリンアナログ]]:アミノ酸配列を変更して持続時間を変えた製剤がある。

===== 投与方法 =====
インスリン注入には2通りの方法がある。ペン型注射器を使用するのが一般的である。
* ペン型注射器
[[Image:Insulin pen.JPG|thumb|インスリンペン型注入器]]
ペン型注射器を用いて、1日数回の[[皮下注射]]によってインスリン注入を行う。
* インスリンポンプ
最近では生体の膵臓に似せた、インスリンの注入スケジュール・プログラムを入力できるインスリンポンプという器械が使われ始めている。インスリンポンプを使うと、針は刺しっぱなしでよく、針の刺し換えは 3日に1回程度で済むが、短所もある。生体の膵臓は体調に合わせてインスリンを分泌するが、インスリンポンプはプログラムに合わせて人間の生活を管理しなければならない。また、器械が故障すると糖尿病性ケトアシドーシス(高血糖)などの事故も起こりうるため、結局のところ、患者はペン型注射器を予備として常備しておく必要がある。

=== 血糖値のコントロール ===
糖尿病のコントロール状態は食前または食後血糖値を測定することで評価するほか、HbA1c(グリコヘモグロビンの一種)も参考にされる。これは、糖化を受けてヘモグロビンが変化したもので、全ヘモグロビンに占める割合は過去1~2ヶ月の血糖コントロール状態を反映するとされている。HbA1cが7.0%をこえると、それ以下とくらべて明らかに合併症の頻度が増大する。HbA1cがここ数ヶ月の血糖と食前血糖を反映するのに対し、グリコアルブミンはより最近の血糖変化と、食後血糖を反映するものとして新たに定着してきているがいまだエビデンスの蓄積はない。

インスリン使用者においてはより厳格であり、自己血糖測定の訓練をしたうえで、毎日の毎食前血糖や就寝前血糖のほか、食後血糖値もあわせて血糖管理状況が評価される。本来ならいくら測ってもいいくらいだが、保険の関係もあってあまり血糖値を測定しすぎるわけにもいかない。

=== その他 ===
* [[甘味料]]として知られる[[ステビア]]の成分が、インスリン抵抗性に対する改善作用の可能性があるという学会発表もあり期待される。

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